田仲 幹生

株式会社あせっとびるだーず 代表取締役
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP

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2018年3月1日 運用レポート

2月の株式市場は、日本も米国も大きく下落し、当社の有価証券運用資産も減少しました。2月初めに株価が急落し、その際VIX指数が大きく上昇するという事が起こりました。当時日経平均のボラリティインデックスに連動するETFを保有していましたが、保有割合が小さかったために、株価の下落を補うほどの利益とはなりませんでした。しかし、ボラリティインデックスへ投資をする効果というのを実感できたことは良かったことだと考えています。ボラリティインデックスへの投資は、基本的に損をするようにできているため、なかなか投資しにくい金融商品です。ですが、市場が暴落するような時には一気に上昇するという事を今回改めて実感することができました。ボラリティインデックスへの投資は、掛捨ての保険と同じような感覚で考えているといいのかもしません。(プットオプションと同じ)個別株に関しては、今まで大きく値上がりしていた銘柄ほど、今回の株式市場の急落で大きく値下がりする結果となりました。大きく値上がりした銘柄をリバランスすることなく保有し続けてしまったために、資産の減少幅が大きくなってしまい、今思うと資産構成のバランスが悪くなってきた時点でリバランスをしておくとよかったのかもしれないと感じているところです。今後、さらに株価が下落するような局面が続くのか、そろそろ調整相場が終わるのかまだわかりませんが、今後の方針としてはポートフォリオの内容を少し見直していくことを検討しています。具体的には株式の下落相場に強いと思われる資産(ETF)を選択していこうと考えています。なおかつ、もし逆に株式相場の調整局面が終わり株価が上昇するような局面が来ても暴落しないような資産であることがベストであると思っています。イメージとしては、市場クラッシュなどで相場が暴落した時に、その資産を売却し、株式の購入資金として当てられればと考えています。

2018年1月31日 運用レポート

1月は、日経平均が約2ヶ月間、なかなか超えられなかった23,000円を年初に突破したことにより、その後上昇相場が数ヶ月は続くかに思われましたが、24,000円程度を頭に、あまりさえない相場というイメージでした。しかも1月後半からは、下落が目立つようにもなりました。日経平均23,000円というのは、バブル期の最高値から見て半値戻しの水準と言われ、「半値戻しは全戻し」の格言を意識するならば、将来的に日経平均は34,000円を超えてくるのではないかという期待を持てる動きでもあったわけです。しかし、ここのところの動きを見ると、24,000円あたりで一度天井を打つのではないかという雰囲気も出てきたようにも感じています。背景には、米国の金利上昇に対する懸念があるようです。金利の上昇は景気を抑えることになるという考え方があるため、過剰な金利の上昇は気になるところです。実際に今保有している米ドルヘッジ型の米国債ETFは下落基調となっており、金利が上昇していることが実感できています。(債券価格の下落は金利の上昇を意味します)しかし、リーマンショックなどの市場ショックが起こる目安の一つとして、長短金利の逆転ということが言われていますが、まだその傾向はみられないので、今の株式相場の反応は、過剰反応であるという可能性も完全には捨てきれないところもあります。とりあえず、現在のところは今まで通りのポートフォリオを維持しつつ、下落に強い資産を追加購入していくことを検討しています。具体的には「上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ)」を購入することを考えています。このETFは、株式投資のETFでありながら同時に先物取引によるTOPIXの売り建てをもつことで、市場リスクをできるだけ0にするように運用しているというものです。市場リスクを0にしつつ、市場平均よりも比較的高い利回りになる傾向がある高配当株を購入することで、高配当株と市場平均の差額のリターンを狙っています。つまり、下落相場では市場平均よりも高配当株式の方が下落率が低くなるという傾向を利用し、株式相場全体の下落相場でもプラスのリターンとなることを期待しているわけです。

NYダウ大幅下落!相場は転換点?

先週末のNYダウは大幅下落となりました。下落幅は665・75ドル、リーマン・ショック後の米金融危機のさなかだった2008年12月以来、9年2カ月ぶりの大きさです。これまでの上昇スピードを考えれば、それほどびっくりするような下落でもない気もしますが、やはり記録的な下落という話になると、少し警戒したほうがいいのかもしれないと思うところです。何よりも、下落の理由として挙げられているのが、「金利上昇への警戒感」というところが気になるところです。今まで、金利が上がることがあってもそれをほとんど意識していないか、好景気である証拠として捉えて株価が上昇していたぐらいだったのですが、今回はそれを悪材料と捉え始めたところが何とも警戒感を高めたくなりますね。今後も、米国は金利引き上げの方向で政策を進めていくという節がありますから、「金利の引き上げ=株価の下落」という流れが出来上がるとなると、今後の株価は弱気相場に入るといったこともあるのかもしれないと思うところです。ただ、個人的な見解としては、じわじわ下がるといった感じよりも、一気に下落するスピード下落の方が可能性は高いのかなとも考えています。実際にどうなるのかはわかりませんが、相場では常に想定外のことを想定して、そうなったときに焦らず冷静に対応できるようなポートフォリオにしておくというのは、基本中の基本だと考えています。資産運用において、損失をできるだけ抑えるというのが、資産を増やしていくポイントとしてとても重要だということは、著名投資家の行動や投資に関する勉強をする中で必ずと言っていいほど出てくる話です。日経平均が23,000円を突破した時には、もうしばらく上昇基調が続くのかなとも思いましたが、もしかすると、すでに転換点に差し掛かっているのかもしれないと感じさせるようなニュースですね。

分散投資は投資の基本。

先日、コインチェックの仮想通貨不正流出事件が起こりました。そしてコインチェックで仮想通貨を保有していた人たちの中には高額の資産を失った人もいるようです。このような問題が起こったときに、大騒ぎをすることになる大きな原因として、分散投資を行っていなかったという事が考えられます。自分の持つ資産のほとんどを一部の資産に偏らせていると、その資産が失われたり、大きな価格下落といったことが起こった時、想定外の資産の目減りをすることになることがあります。そのため、投資をするにおいて基本とされているのが、『分散投資』です。プロの投資家でも、自分が保有している資産の一部が多く値上がりし、保有資産のバランスが崩れた時には、リバランスと言って、大きく値上りしている資産を売却し、他の資産へ移すといった事をするのもです。今回のコインチェックの事件は、その分散投資とリバランスを行う大切さが良くわかる事件であったといえます。ただ、分散のし過ぎは期待リターンを減らすことでもあるため、分散投資をしていればいいとうものでもないところが難しいところです。分散投資の考え方として、自分のポートフォリオの主となる部分をまず決めることだと思います。そして基本的には株式資産をポートフォリオの主としておくべきだと考えています。なぜなら、株式投資の歴史は古く、現代において確立されている投資先だと考えられる点と、他の主要な資産である債券や金、不動産などといった中でも最も高いリターンが望める投資先であるということです。ウォーレン・バフェットなど株式投資で膨大な資産を築いている人がいるという点においても株式投資が投資先として魅力的なものであることがわかるかと思います。そして、その主となる株式投資を補完するように債券や金といった資産へ分散して投資をするという考え方で分散投資を行うといいと考えています。当社でも、投資の主となる部分は株式資産と考えています。しかし、株式には大きいときには半分以下に価格が下落する値動きを見せることもあるため、債券や金、不動産などでその値下がりを補完するというイメージで投資ポートフォリオを考えています。今のところ株式市場の長い上昇期間と上昇スピードの速さに対して懐疑的に感じているところもあり、株式資産よりも他の資産の方が多くを占めるようになってきてはいますが、あくまでも投資のメイン資産は株式だと考えています。

株式市場の上昇はストップするのか?

年初に23,000円を超えた時には、日本の株式相場の流れが変わったのかなという感じもありましたが、ここのところ24,000円を目の前に膠着気味です。23,000円突破後の上昇トレンド開始の予想は間違っていたのかなという気もしなくもない感じになってきた?ただ下げても23,000円を割ってこない間は、まだ上昇トレンドが始まる可能性は十分にあると思ってもいますが、場合によっては対応を180度逆転させる必要もあるかもしれないと考えながら見守っている感じです。心配に感じている点としては、米国株の上昇スピードです。さすがに調整が始まったら、とても大きなものになりそうだと感じてしまうほどのスピード感です。また、相場のサイクルも気になるところです。米国株の上昇相場が始まってから、約9年。そろそろ何か大きいものが来てもおかしくないタイミングに入ってきたと感じなくもありません。ただ、全体的にファンダメンタルが好調というところが、持たざるリスクを感じさせるところですね。先日、ビットコインなどの仮想通貨が暴落と言えるような下落を見せました。しかし、株式市場はそれほど影響を受けることもありませんでした。そのことだけを見るならば、まだマネーバブルの崩壊とはなっていないのかな?と考えているところです。それと原油に気になる動きが出てきました。昨年6月から原油価格が上昇してきています。そして、その上昇角度(上昇スピード)は、最近になって増してきているようにも感じています。原油価格の上昇はインフレに与える影響が強いと言われています。今の原油の動きが将来的なインフレを示唆したものなのか、それとも北朝鮮などの戦争突入などを警戒したものなのかはわかりませんが、少し注意を向けておいた方がいいのかなと感じているところです。今のところ、上昇トレンドをイメージしながらも、市場クラッシュへの警戒も怠らない、といった感じで相場を見ている感じです。

日経平均は年初から23,000円を突破、しばらくは上昇基調か?

年初に節目と考えていた23,000円を突破しました。11月9日以降約2ヶ月間、何度もトライしながらも超えることができなかった23,000円を突破というのは、重要なポイントだと考えています。相場を予測することは本来するべきことではないと思っていますが、さすがにこの流れは、しばらくの上昇基調が続くのではないかという仮説を立てたくなります。相場には、動きたいというエネルギー力学のようなものがあるように感じています。上にも下にも動かない、もみ合い期間は、「上昇したい。」「下落したい。」というエネルギーが蓄積される期間となっていて、高値なり底値を突破したとたん、一気にトレンドが発生するという動きを見せることが多いです。そのため、もみ合い期間に入ると、どこを突破したらトレンドが発生するかを意識してみるようにしています。今回は、そのラインを23,000円としてみていたのですが、これまでのところ、その経験則通りの動きとなっているようです。しかし、株式投資において一つの方向に見方を固定してしまう行為は危険です。思った方向と違うことが起きた場合も想定しながら相場と付き合った方がいいと考えています。つまり、上昇へのトレンドが発生していると考えていても、逆に動くことも念のため想定しておくという事です。今のところ、やはり23,000円というラインがポイントなのかなとみています。もし突然逆回転を始めるようなことになった時に、仮に23,000円を割るようなら、それは上昇トレンドじゃなかったとみたほうがいいのかなと考えています。23,000円付近での逆指値、またはトレーリングストップ注文を使った利確などを検討してもいいのかなと考えています。

明けましておめでとうございます!今年の相場予想?

明けましておめでとうございます。今年は戌年、干支にちなんだ株式相場のアノマリーとしては、『戌笑う』に当たりますね。本当に『笑う』年になるといいのですが、個人的には今まで通り、弱気へのイメージを持ったまま行こうと考えているところです。相場にはある程度同じサイクルがあるという考えによると、やはり米国株が8年以上の上昇し続けているというのは気になるところです。相場の大きなサイクルに10年というのがあると言われています。ブラックマンデーやITバブル、リーマンショックなどの暴落が、約10年ごとに起きているというのが、10年サイクル説を強く印象付ける要因になっています。そうなると、上昇8年というのは、そろそろもしかしたらという気持ちにさせる経過年数になってきます。さらに危惧するのが、10年という数字を絶対視した場合、下落期間は残り2年もないということです。つまり下落スピードは非常に急激なものとなる想像もできるわけです。中にはブラックマンデーのような相場を予想する人もいるようですが、もしかすると冗談では済まないのかもという気もしなくもないです。しかし、これらの暴落相場というのは、後で振り返ると最高の投資タイミングとなっていることがほとんどです。つまり、弱気相場のときこそ強気で行くことが非常に重要という事です。ただ、相場を予想するなんてことできません。何事なく強気で推移することも否定できません。難しい話ではありますがが、弱気相場への意識を保ったまま、強気に動くという事も必要とされる、逆に言えば難しい局面の年となるかもしれないとも考えています。具体的な投資戦略でいえば、弱気相場に強いインカムゲインを中心とした投資や、売りと買いを同時に行うロングショート戦略。新しく投資する時には、同時に売るラインも明確にする逆指値やトレーリングストップ注文の活用といった方法が考えらそうです。

2017年12月29日 運用レポート

12月29日大納会の日経平均は、-19.04で終わりました。今年の日経平均株価は、19,298円から取引が始まり22,764円で終わった形です。その上昇額は3,466円となり率にすると年初から約18%の上昇となりました。この間の当社の株式等投資資産の資産増加率は約29%となり、個人的にはそれなりに満足のいく結果となりました。特に、株式等投資資産の20%超を米国債ETFの為替ヘッジありで保有していた状態でのこの結果なので、単純に株式投資だけに限定すれば、それ以上の成績になっていたという事になります。今回、資産残高推移のグラフにTOPIXの推移も比較できるようにしてみました。資産配分の影響で多少負けているかなとも思っていたのですが、ふたを開けてみると、ほぼ同じような推移となっています。このような結果になったのも、今年は特に、保有銘柄の中でフィード・ワンと三井製糖の2銘柄が上手く資産増加に貢献してくれたからのようです。基本的にはディフェンシブなポートフォリオを作っていると考えているので、重要な局面は今までよりもむしろ今後だと思っています。起こるかどうかはわかりませんが、最近危惧されることも多くなってきている株式市場の暴落があったときに、うまく損失を小さくできるかどうかが当社のポートフォリオにとって一番重要な局面だと考えています。そんなこともあり、この12月は銘柄の変更を行っています。元々ディフェンシブな資産の金関連有価証券へ投資をしていましたが、最近では仮想通貨のビットコインに注目が集まり、金関連資産の動きが悪くなっているように感じていました。そこで、市場ショックが起こったときに金よりも明確にリスクヘッジの効果を発揮してくれるのではないかと考え、『日経平均VI先物指数 ETN』への乗り換えを行っています。とりあえず今のところは、このETNを徐々に積立てるような感じで買い増ししていくことを検討していますが、実際は相場の動きを見ながらという事になるかと思います。

米国で法人税の減税法案成立と株価の見通し

法人税の減税は、株価に直接プラスに働くことになります。株主の利益というのは、企業が稼いだ利益から税金を支払って残った分が株主の取り分であるため、税金の支払いがなくなるという事は、その分株主の取り分が増加することが考えられるためです。つまり、今回の法案成立は、株価にとってプラスであるという事です。しかし、そのプラス効果はすでに株価に織り込まれている可能性が高いと考えています。通常、株価というのは事実が確定する間に、予想で動いているものです。法案が成立しそうだという確率が上がれば上がるほど、株価にはその分が反映されているだろうと考えるのが妥当です。「法案が成立したから、株価が上がるだろう、だから今こそ買いだ!」では動きが1週どころか2,3週は遅いというわけです。つまり、この材料は今はもう買い材料になっていないと考えた方がいいと思っています。むしろ、気にするべきは景気動向だと思っています。リーマンショック後の株価の上昇は、もうすぐ8年目に突入します。まだまだ上昇相場が続く可能性は十分にありますが、さらに8年続くと考えるより、そろそろいい時に来ていると考えても間違っていないかもしれません。さらに、失業率も4.1%と、リーマンショック前よりも低い水準にあります。また、長期金利と短期金利の関係も、徐々に長期金利に短期金利が接近していくという環境にあります。これらの傾向としては、景気拡大期にあると言えますが、次の景気減速期が徐々に近づいていることも忘れてはいけません。まだ上昇相場が続きそうな雰囲気がありますが、次の景気減速期に入る可能性を考えながらリスクをコントロールしていきたいと考えています。